矯正治療の術前検査って? -当院の検査体制について-
歯科矯正治療を行うあたりどういった状態の不正咬合なのか?顎・顔面骨格形態はどうなのか?またその事に起因する機能障害はないのか?また逆に機能障害が不正咬合の原因になっていないのか?など明らかにすべく様々な角度から精査します。
単に顎骨内で歯を配列するだけでは無く、どういった点に重きを置きどの方向に進むべきなのか?といった意味で治療前の検査・診断が重要であると考えております。
今回はその項目と何を診査診断する為の検査か?についてご説明します。
全顎矯正(成人矯正)治療を行う際は①~⑥全ての検査(所要時間は2時間)を行います。近隣からお越しの患者様には2回に分け検査をさせて頂いていますが、遠方からの患者様あるいはご希望があれば1回で検査をさせて頂いております。
小児矯正治療を行う際は①~④の検査(所要時間40分)を行っています。
①X線検査(頭部X線規格写真分析)
頭部の様々な場所の距離(大きさ)と角度(形)を計測。形態的特徴ならびに標準的な値との比較によって顎・顔面骨格形態を分析し診断・治療計画の立案に役立てます。
②コーンビームCT検査
X線の間欠(パルス)照射により低い被ばく量での撮影が可能なドイツ、カボ社製のCTを導入しています。3次元的な顎骨・歯根形態や顎関節状態の把握。また上気道形態や容積、断面積などの情報を得ます。
③口腔内スキャン、模型分析検査
口の中のコピー機のようなデジタル機器です。 複雑で一人ひとり違うお口の状態を小型カメラで撮影(スキャン)し、そのデータを3Dの画像で見ることができます。360度あらゆる角度から見ることができる3Dの画像にすることで、肉眼では見えにくい部分もはっきりと確認することができます。
④顔面写真・口腔内写真
顔面写真から上・中・下顔面のバランス、左右対称性、口元の突出度、オトガイ筋の緊張度などを評価します。口腔内写真からは、歯、歯列弓形態、咬合状態、歯周組織から口腔清掃状態まで多くの情報を読み取る事ができます。
⑤咬筋表面筋電計検査
咬む筋肉の筋活動量を計測し、即時に数値化する装置です。客観的な数値に「見える化」することにより咬合力のコントロールを必要とする歯科治療の診査・診断目的に活用することが可能です。
⑥顎機能検査
顎機能咬合解析支援システム(キャディアックス)を使って下顎頭の前方、側方運動の3次元運動軌跡からその経路の傾斜角度(矢状・側方顆路角)や下顎位を詳細に分析することが可能となりました。またそれらは新たな咬合様式を求める際の重要な情報となります。
