顎関節症について
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口を開けようとするとあごが痛い・音がする・口が開かないといった慢性疾患の総称です。このような症状があるとき、その多くは顎関節症です。子供から大人まで幅広く発生しますが、20~30歳代の女性に多い傾向にあります。
顎関節症はそんなに珍しい病気ではありません。また、顎関節症をよく知りうまくつきあっていけば、そんなに恐い病気ではありません。 -
あなたの顎は大丈夫ですか?
- 顎の痛み
- 顎から音がする
- 口が開きにくい
3つの症状のうち1つでも当てはまれば、顎関節症の可能性があります!
顎関節症の仕組み
顎関節は下顎を動かすための関節で、耳のすぐ前にあり、頭の骨のくぼみ(側頭骨:下顎窩)と下顎の丸い突起(下顎骨:下顎頭)からなっています。耳の前に手を当てて、大きく口を開けると動くのがわかります。
口 を開けていくと、まず下顎頭が回転し、次第に下顎窩に沿って前下方に滑り出していきます。下顎頭と下顎窩の間には関節円板というクッションがあり、動きをスムーズにする事と圧力を吸収する役割をしています。
下顎を動かしているのは、こめかみにある側頭筋、頬の部分の咬筋など顎の周りについている咀嚼筋と呼ばれる筋肉です。
顎関節はこのような多くの構造物が協調した動きをすることにより、話したり、食べたりなどの複雑な運動ができるようになっているのです。
顎関節症の4つのタイプ
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顎関節症1型 咀嚼筋
(開閉口時に働く筋肉)障害筋痛の出現部位は咀嚼筋(咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋)が主であるが、これら4筋以外に顎二腹筋、胸鎖乳突筋にも圧痛として発現する。
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顎関節症2型 関節包・靭帯障害
顎運動時に顎関節痛を訴え、触診で顎関節部の圧痛を認める。
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顎関節症3型 関節円板障害
(関節円板がずれている)-
▼関節円板がずれているが、
元の位置に戻るもの動画で見る
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▼関節円板がずれていて、
元の位置に戻らないもの
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▼X線写真にて顎関節の骨に変形の見られるもの
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▼X線写真にて顎関節の骨に
変形の見られるもの
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顎関節症と
咬み合わせについて
顎の動きのかなめである顎関節は体の他の関節とは違った2つの特徴があります。
一つは左右一対の連結されたもので、右側の動きは左側にも影響するということ。もう一つはある一定の距離を移動するということです。そしてこの顎関節(下顎頭)の動きは、上顎と下顎との間にある歯(咬み合せ)によって規制されています。
つまり、咬み合せは下顎(頭)位を決める大きな要素とも言えます。もしかりに、ずれた下顎(頭)位のまま顎が運動しているとすれば、それは慢性的な刺激を関節に与えることになりかねません。
こういったことが、顎関節症の原因の一つだと考えられているのです。
当院が行う
顎関節症治療の特徴
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特徴① 骨質の構造も分かるコーンビームCT(CBCT)を使用
顎関節症外来では、問診・触診・開口量測定など行うと共に、細かい骨梁構造も明確に描出されるコーンビームCT(CBCT)を用い硬組織の評価を行います。治療法につきましては次のような治療を行います。
- 生活指導
- 理学療法として物理・運動療法
- 薬物療法
- スプリント療法
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特徴② 下顎頭運動検査で適切な治療計画を提案
顎関節症を伴った矯正治療では、永久歯列の治療の術前検査では下顎頭運動検査(コンピューターアキシオグラフ検査)を行い下顎頭の運動経路から現在の静的、動的下顎位を評価し治療計画に反映していきます。