“なるべく非抜歯治療”?!
“なるべく非抜歯治療”?!
永久歯列期の治療を行う際、小臼歯(中間歯)の抜歯を行う事があります。それには大きく3つの理由があります。
①口元を改善
② ガタガタした歯の配列
③顎が小さいまたは歯のサイズが大きい
当院では患者様のご希望も有りますが、審美性も考慮しながらなるべく小臼歯非抜歯にて治療を行っています。
なぜ小臼歯非抜歯なのか?またどうやって進めていくかについて簡単に説明致します。
-なぜ(なるべく)抜かないの?-
〇咬み合わせの高さ(咬合高径、下顔面高)を維持するため!
日中のくいしばりや睡眠時の歯ぎしりなど歯にはかなり強い力が加わります。咬む力(咬合力)を多くの歯で支える事で1本あたりに加わる荷重を減少させる事が出来、咬み合わせの高さの減少(沈み込み)を防ぐことに繋がります。
〇顎関節に圧迫をかけないため!
例えば上下総入れ歯を装着されている方が入れ歯を装着した時と外した時を想像してみて下さい。つまり総入れ歯を外すと下顔面高が低くなりその結果、顎関節の骨は上方に突き上げる事となります。咬み合わせの高さの維持は同時に顎関節への負荷も防止しています。
〇舌房(固有口腔)の容積の維持、拡大のため!
小臼歯抜歯は通常上下左右、合計4本の抜歯となります。つまり歯数の減少が歯列弓の長さを短くし、結果的に舌の居場所を狭くする事となります。
〇上気道を狭窄させないため!
上下歯列で囲まれた内側の空間(舌房)が狭くなれば舌の後方への偏位を起こし、上気道を狭くする可能性があります。もともと私たちアジア系のモンゴロイドという人種は白人系の長頭型に対し短頭型と言われており骨格的に頭部の前後の幅が短く、横の幅が長いという特徴を持っています。顎骨も同様で上気道の前後的狭窄を起こしやすい人種と言われています。
-どうやって非抜歯にするの?-
なるべく非抜歯治療にする3つの方法
1.歯列弓の側方拡大⇒ひと回り大きな歯列にする事で歯牙の配列スペースを確保する。
2.歯の後方移動⇒可能であれば歯を後方に移動させる。
3.下顎の位置の移動⇒臼歯の垂直的コントロールによって下顎位の水平的コントロールを行います。