・・・だけじゃない矯正治療! -2呼吸編-
矯正歯科を訪れる患者様の主訴のほとんどは、見た目の改善です。つまり歯の並びのデコボコした状態(叢生)や、前歯を後方に下げ口元を改善するのが目的です。
しかし大切なのは審美的改善ばかりではなく「審美」と「機能」のバランスをどうとるか?という事だと考えています。
では当院が全顎治療(上下顎にわたる永久歯列期の治療)において考慮している4つの「機能」、顎関節・呼吸・咬む力・咬み合わせについて説明致します。
2つ目は「呼吸」についてです。狭窄した上気道は閉塞性睡眠時無呼吸症発症のリスク因子と考えられています。日常生活(覚醒時)においても有酸素運動時の心拍数、動脈血酸素飽和度等に影響する事が考えられます。通常、矯正治療術前検査としての側面レントゲン写真で上気道の前後の幅を確認する事は可能ですが、当院ではこれに加えてコーンビームCTにて立体画像から詳細な評価を行っています。ここでカギとなるのは上下歯列で囲まれた空間(舌房)の容積をなるべく狭くしないという事です。便宜抜歯による歯数の減少は舌房の狭小化を招き、舌を後方に押しやってしまう恐れがあります。その結果上気道の狭窄の一因となる事があると考えています。舌房の容積維持、拡大の為、可能であれば(中間歯)非抜歯にて治療を行っています。