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発見!小児の閉塞性・・・。のどちんこ(口蓋垂)の肥大は診断可能!?

歯科矯正治療の術前検査にて通常、頭部のX線写真(セファログラム)を撮影します。正面画像では首の骨(頸椎)と重なって上気道を評価する事はできませんが、横向き(側面)の画像から上気道の前後径を評価する事ができます。歯科臨床においてこのレントゲン画像だけが唯一、上気道の評価可能な検査という事になります。つまり歯科矯正医は術前に気道前後径を診ることができる状況にあるわけです。

上気道の狭窄は睡眠時無呼吸症発症のリスク因子であり日常生活においても運動時の心拍数、動脈血酸素飽和度に影響すると言われています。

さて最近、のどちんこが肥大し気道を狭窄させている症例に遭遇しましたので少し概要を報告します。

喉の奥(中咽頭)にあるのどちんこは口を開けてもらえば全ての患者さんで直視できるわけではなく、中には舌を排除しなければ観察できないケースもあります。

実はこののどちんこレントゲン画像には映りません。子供の小指の先ほどの大きさの軟組織の為、X線が透過してしまうからです。しかしコーンビームCTで詳細な評価が可能となりました。

下記画像は肥大したのどちんこが上気道に入り込んでおり水平断にて僅かな空隙しかない事がわかります。この画像を元にお母さんに睡眠時の呼吸状態等の問診を追加し、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)を疑いましたので医科への受診を勧めました。

医科にて終夜睡眠ポリグラフ検査の結果OSAと診断されましたので加療となるそうです。私たち歯科矯正医は術前検査から潜在的なOSA患者さんを発見する事も不可能では無いと考えております。