2019.3 今、「睡眠」が面白い
先日(平成31年2月17日)、歯科医師のための睡眠学セミナー(日本睡眠歯科学会主催)が東京でありで参加致しました。この日は第三日曜日でしたので本来なら診療日だったのですがどうしても話が聞きたくて一部の患者様にはご予約を変更して頂くことになりご迷惑をお掛けしました。申し訳ありませんでした。
なぜ矯正歯科なのに「睡眠」なの?と思われると思います。今、我が国で300万人以上の患者がいると推定されている閉塞性睡眠時無呼吸症候群を勉強する為です。
患者様が矯正歯科を受診される動機の大部分は審美障害つまり外見が悪いので歯並びを治したいというものです。「見た目」が大切である事は言うまでもありません。しかしそれ以上に大切なのが「機能」であると考え当院ではなるべく小臼歯を抜かずに治療を行っています。
通常、歯列のガタつき(叢生)や口元の前突感を解消改善する為、矯正歯科治療では便宜的に小臼歯抜歯を行います。結果的に歯列の内側の空間つまり舌房を狭くする事になります。普通、小臼歯抜歯に伴い狭くなった舌房に合わせるように舌を切除する事は致しません。
この閉塞性睡眠時無呼吸症候群は肥満による気道の狭窄、狭い舌房といった一連の状況が発症リスクの一つになると考えられています。
本疾患の症状は睡眠時の呼吸停止、大きく頻回ないびき、不眠に伴う昼間の眠気・だるさ、集中力・記憶力の低下等です。
特に下顎遠心咬合(下顎が後方に下がった噛み合わせ)などの上顎前突症例において、非抜歯にて下顎位を前方適応させるアプローチが顎関節症(復位性関節円板前方転位)と本疾患になるリスク(気道の狭窄と狭い舌房)を改善あるいは低減する上で重要である事を示して行きたいと考えております。
話は戻りますが、岡山から朝イチの飛行機での上京でしたのでこの日は5時半に起床、その為か睡眠の話を聴きながら少々睡眠してしまいました。東京日帰りは疲れます。